恐竜水族館は1998年にインターネット上に『ポリプテルスをより普及的・一般的な熱帯魚に』を目的として開設され、その後熱狂的な熱帯魚愛好家のマーサー氏と掲示板を共有しながら運営されておりましたが、わたくし恐竜の私生活での時間的問題から一時閉鎖をしておりました。その後2001年4月に全面リニューアルを伴った復活となり、今日に至ります。
◆復活に伴うサイトとしての意義
近年、熱帯魚産業は一時の過剰な盛り上がりから、安定的な需要へと変遷してきました。身近なところでは、ネオンテトラ一匹の値段も500円が相場だった時代から現在では1/10以下へと下がり、高嶺の花であったアジアアロワナやゼブラキャットもそれ以外の魚たちと肩を並べて扱えるようになってきました。ポリプテルスに目を向けて見れば、一頃の新着種数十万円の時代に対し、昨今初入荷したメリディオナリスに関しては初輸入価格は1500円でした。そういった意味では、私たち愛好家にとっては願ってもない時代の到来とも思えますし、これからの動向にも目が離せないといったところです。一方、産業としては一過性のブームが過ぎた事により、経営難に苦しむ中倒産するショップも相次ぎ、私たちを取り巻く環境が安定しているとは言い難いかもしれません。
そんな中、インフラの整備が進み、既にメディアの中核を担う立場となったインターネットを通してなにを伝えるべきかを何度も反芻し検討した結果、「魚という一つの生命を自然から切りとる事の責任と代償」を真剣に考えるべきではないかという結論に至り、少しでも熱帯魚飼育に従事される愛好家、ショップ、業者の方がそのことに前向きに考えていける手助けになればと思い、開設の意義・動機といたしました。
◆私の魚へのアプローチ
熱帯魚を飼育されるすべての方は、興味〜飼育〜安定的な管理に至る経過で、何らかの指針をお持ちと思いますが、私の場合は「自然環境再現」が大前提で、様々な問題で迷う場合も大自然を想定して判断の最大要因としています。当然、自然の奇跡的なサイクルを閉鎖された水槽環境に再現することは容易ではないことは承知していますが、経済的な面や設備など、与えられた条件、さらには私個人の感情を含めた形で飼育魚と良い関係をもてればと思います。
◆将来の事、倫理観、その他・・・
私の飼育歴・・・といえば語弊がありますが、そもそものスタート地点は小学生の頃です。それまでは、家で選択に使うタライに密度もなにも考えずに、親戚の家の近くで採集したオタマジャクシを飼育した程度でしたが、たまたま昆虫の為のプラケースを買うために立ち寄ったペットショップで初めてコチョウザメを見た事が私と熱帯魚との運命的な伏線だったのかもしれません。値札には確か15,000円とあったのを今でも覚えているのですが、当然私の予算では及ぶはずもないながらも、ショップのおじさん(当時はペットショップと駄菓子屋の主人は年輩と相場が決まっていた)に飼育に必要な器具を聞きました。「どんな人が買っていくのだろう?」そんな羨ましいような気持ちの中なぜかいつにない緊張感があったように思います。結局、どうしようもない状況と捨てきれない欲求の中で、私はギギを一匹購入して帰りました(そのギギはかつて数多のオタマを蛙に育てたタライで生涯に幕を下ろしました)。
時は過ぎ、一人前に給料ももらうようになり、スキーや車いじりに興じるある日。東急ハンズのディスプレイの中に見慣れないと言うか未知の生命体を発見します。これが私の人生を少なからず変えてしまったポリプテルスとの出会いです。おそらく、この出会いなしに水族館などでポリプテルスと出会っていたとしても今の私とは違う道に辿りついたに違いありません。今考えたら、大方「肺魚の一種だろうし大丈夫なんじゃない」程度の感覚でディスプレイに押し込まれたポリプテルスは儚くも美しかったように思え、なにより、私に何かを訴えかけてきていたように思います。それから一ヶ月を待たずして私の熱帯魚生活がはじまりました。
その後、何か見えない関がはずれたように、私の魚への欲求は膨らみ、思い起こせばカラシン、プレコ、各種キャット、コリドラス、ディスカス、チョウザメ、AFシクリッド・・・莫大な種類と数の魚を飼育し失いながら今日に至ります。そんな中、いつもポリプテルスが私の最も近くにいたように思います。
図らずもいつの間にか、周囲からはベテラン的な呼ばれ方をするようになりましたが、日々魚から学ぶ事は多く、まだまだ、彼らの無言の訴えには応えきれる実力も備わっていないと実感する今日この頃ですが、小さいながらも少しずつ実績を形に残せるようにもなり、これまで以上に魚に対する夢も膨らんでいます。この場を借りてあえてその将来の夢の一端を述べるなら、自然の生態系とはまた別の「水槽」という人工的な生態系の中で、魚たちが種本来の美しさを発揮し、健康で優良な子孫を残していけるノウハウを確立できればと思います。
また、私は点前で自然保護を賛美したり、自らの意見を持たずに保守的な文言を羅列する方々には、批判を受けるやもしれませんが、自分の責任から逃れずに飼育を継続する意志と信念があれば、どのような魚を飼育する事も否定しません。無論、公の場で決めごととされている法を犯す事は、許されるべきではないと思いますが、常識の範囲の知識と教養で判断して問題なければ、希少種であってもむしろ積極的に飼育、そして繁殖に挑むべきではないかと思います。そうする事が魚にとっても産業にとっても真の意味で有意義とではないかと。
最後は、やや挑戦的な発言も出てしましましたが、皆さまの熱帯魚ライフに少しでもお役に立ち、魚たちも皆さまに飼育された事を幸福であるように力になりたく思いますので、今後も何卒ご声援の方よろしくお願いいたします。