傾向と対策
よく質問頂く内容についてまとめてみました。状況的に100%重ならなくても知っていて損は無いことばかりだと思います。また、日常管理の要点にも触れておりますのでご確認下さい。
(質問) ポリプテルスを飼育する事に関しての注意点と良いポリプテルスの見分け方を教えて下さい。
(回答) ポリプテルスは中型〜大型の熱帯魚の中では飼育しやすい上に丈夫で、比較的人にも慣れるので飼いやすく満足感も高い魚と思います。しかしすべての種類が何事も無ければ10年以上生きるため、飼い続ける事ができるかどうかという点が一つの判断材料になると思います。混泳が比較的融通が利く点も一歩間違えれば私の家のような状態に陥る可能性もあり、相応の覚悟で飼育に踏み切って欲しいと思います。また、良いポリプテルスであるか否かは、最終的には飼育者の満足度といった主観的な要素で決定されると思いますが、健康な個体の見分け方としては、泳ぎ方、目の透明度、肉付き、鱗の輝きに注目して、おかしいと思ったら購入は控えた方が良いでしょう。また、寄生虫が発生している個体も少なく無く、既に2匹目以降の購入の場合は、同じ水槽のポリプにも間違えなく感染すると思って下さい。それ以外の要素としては個人の好みによるところが大きいですが、参考までに私が購入する際の基準を上げれば、1.模様のパターン(分布や密度、対称性など)、2.模様の稜線の明瞭さ、3.種としての特徴を良く表現しているか、4.サイズ、5.鰭の大きさと欠損具合、6.地色、7.体型バランス、8.個性、9.フィーリングです。
(質問) ポリプテルスの幼魚(10cm以下の個体)を購入しました。餌や日常管理を教えて下さい。
(回答) まず、飼育環境の構築は他の一般的な熱帯魚に準じて下さい。水質は弱酸性〜弱アルカリ性(phにして5.0〜8.0位まで)でしたら適応できますが、自然下での分布水域の水質は弱酸性(ph:5.0〜6.0)なので、それくらい〜中性の間で安定させると良いでしょう。ただし、通常はショップで管理されている水質はややphが高い状態ですので、水あわせは念入りに行って下さい。幼魚の場合の餌は最初は冷凍赤虫を与え、個体によって餌付けできない場合はメダカを与えます。餌喰いが悪い場合は水温を1日に1度の割合で28度位まで上げると良いでしょう。また、購入初日は給餌は控え、魚が落ち着いた状態から餌を与えます。それから、幼魚期は身体も細く思わぬ隙間から飛び出す事故が多いので、ガラス蓋をして、水面を水槽の上縁から5cm以上開けるようにしましょう。
(質問) 人工餌料に餌付けをしたいのですが。
(回答) ポリプテルスはすべての種、亜種を人工餌料に餌付かせることができます。ポリプテルスに限ったことではないのですが、人工餌料に慣れるか否かは飼育者と魚との駆け引きによって決まりますので、慌てず焦らずじっくりと取り組む事が前提となります。基本的には魚をよく観察し魚の満腹状態に至る餌の量を把握しておきます。その後、コンスタントに満腹に近い状態を維持し、週に2日ほど絶食日を設けます。絶食開けは通常の給餌では無く、必ず餌付かせたい人工餌料を与えるようにします。ここで重要なのは、食べるまで人工餌料以外は与えないのでは無く、きちんとしたサイクルで人工餌料に餌付くチャンスを繰り返す事にあります。これによって、魚の体力を維持したままで餌付けにチャレンジし続ける事ができます。また、混泳魚の影響も大きく、同居魚の中に既に人工餌料に餌付いた個体がいれば、餌付けする事はそれほど苦労しないでしょう。
(質問) きれいな模様に育てたいのですが。
(回答) ポリプテルスをはじめ、肉食・雑食魚は自らが捕食する為と外的から身を守る為に生息水域に合った保護色を纏っています。そのため、照明や底砂、バックスクリーンの色やコントラストの影響を強く受け、徐々にですが体色や模様のコントラストを変化させていきます。そのため、底砂の色が明るかったりベアタンクでの飼育では退色が進み、色が薄くなってしまいます。水質維持や体色を考えた場合、大磯砂がベストと思われますが色にこだわるだけなら他の濃い色の砂でもかまわないと思います。また、単純に底砂を敷いただけの水槽よりもミクロソリウム系やアヌビアス系の水草を入れることで、コントラストもはっきりし、魚も落ち着きます。最後に照明ですが、これも体色を決める重要な鍵となっていて、色度や強さで体色にも影響がでます。照明を使わない暗い水槽で長く飼育すると模様が薄くなり体色は暗化してしまいます。理想的には暗めの色調の水槽レイアウトに適度な数の水草、それからやや強めの照明が美しさを保つ秘訣と言えます。
(質問) 雌雄を判別したいのですがわかりやすい特徴(性差)を教えて下さい。
(回答) 最も一般的でわかりやすいのが尻鰭を使った判別です。雄の場合、繁殖時に尻鰭で卵を受け止めると同時に放精が行われるので、雌と比較して肉厚でかなり大きな尻鰭を持っています。しかも成魚に達した雄の場合、頻繁に尻鰭をスプーンのように丸める行動(俗にチーズビットと呼ばれる)を取りますので、判断できます。また、雌は尻鰭の頭側付け根の生殖器(ここから卵が産み出される)付近が充血(やや黒ずむ)し、膨らんできます。同時に体型も抱卵した状態では同サイズの雄より明らかに太くなりますので、これも判断材料になるでしょう。しかし、これら方法でも幼魚期のポリプテルスの雌雄判別には使えず、ウィークシーのように性成熟の遅い種類では体長が30cm近くでも判断が付かない場合があります。私の場合は確実でないにしろ、幼魚期の雌雄判別基準としているのは、尻鰭の長さと顔つきです。尻鰭は幼魚期であっても若干の性差が見受けられるので良く観察すれば、70%位は見分けられると思います。この時点では雌雄の幅には差が無いので長さを基準にします。ショップで同サイズの魚が複数いる場合は、比べればなんとかなるはずです。次に顔つきですが、経験的には横から見た場合、雄は丸顔で、鼻先の鋭さがあまりなく、逆に雌鼻管までの鼻先がすっきりして上顎の先端がややとがっています。幼魚期の判別に関しては個体差のレベルに収まってしまう可能性がありますので、なんとも言えませんが、最後は個人の経験と直感に頼るしかないでしょう。
(質問) 寄生虫が発生してしまいました。駆除の方法を教えて下さい。
(回答) ポリプテルスには特有の線状虫・マクロダクティルスポリプティやプロダクティルスポリプティが寄生します。これらの寄生虫は通常、他種には寄生しませんが、ガーには感染する可能性があります。通常、これらの寄生虫はポリプテルスのガイノン鱗の溝や隙間に生息しており、ガイノン鱗から分泌される粘膜を食べていると思われます。肉眼で確認できない状態でも鰓蓋の内部や鱗の隙間に潜んでいるため、突如大発生する場合があり、注意が必要です。ただし、チョウやウオジラミと違い吸血はしないようですので、発生したからといって即座に魚の命に関わる事はありません。重傷の場合はガイノン鱗からの粘膜分泌のメカニズムに支障を来すため、異常分泌や感染症を併発する可能性が高くなります。駆除に関しては、完全な駆除には相当の時間がかかることを覚悟し、場合によっては短期間での完全な駆除はあきらめる方が良いかもしれません。ポリプテルスは意外と耐塩性が低く、塩浴は避けた方が良いので、駆除する場合は最初から薬品の使用を前提とします。できれば魚が通常通り摂餌しているようでしたら、駆除の前にしっかりと体力をつけさせる事が先決です。魚に十分な体力があるようでしたら、薬品の説明をしっかり読んだ上、規定の分量の10%程度を飼育水に入れて、飼育水の水温は28度(事前に上げておく)にして様子を見ます。少しずつでも効果があるようなら、3日に一回、通常と同じ量(最大で30%)の水換えを行います。薬品を飼育水に入れる場合はあらかじめ小さめの容器で十分に溶かしてから使用するようにして下さい。経験上、25%までの濃度での薬浴を行った事がありますが、当然、濃度が濃い方がリスクは大きいと思って下さい。また、基本的には通常の飼育セオリーに準じるようにして下さい。薬の種類は各社から発売されていますが、私のお薦めはトロピカル-Nで塩分の含有量が低い為、ポリプテルスには向いています。それ以外にも、強いものでエルバージュ、総合的にグリーンFやトロピカルゴールドがありますが、できるだけ寄生虫駆除に特化した薬品の使用をおすすめします。
(質問) ポリプテルスは他の魚が罹りやすい病気に罹りにくいという話は本当ですか。
(回答) ポリプテルスには粘膜を持ったガイノン鱗という鱗を持っている関係上、他の熱帯魚が罹りやすい白点病や真菌性感染症に対する耐性があります。まったく罹らないわけではないのですが、健康体で代謝がうまくいっている個体であれば、同居魚にそれらの病気が発生しても感染する可能性は低いと思われます。その反面、耐薬性、耐塩性は他の魚よりかなり弱く、手洗い用の石鹸や女性の場合は化粧品などでも、あっさり薬物中毒で死んでしまいます。ですから、万が一同居魚の治療の為に魚病薬の使用が必要な場合は、ポリプテルスから分けた状態で薬浴するようにして下さい。また、ガイノン鱗があるとはいえ、何らかの体調不良が起因する代謝障害によって、粘膜の分泌が異常を示している場合は、尾腐れ病などの感染症にも犯されやすく、死に至るケースも考えられます。粘膜の分泌に関する異常の多くは、過密飼育によるストレスやphの下降が著しい場合で、飼育水を安定させることで正常な状態に戻す事が可能です。
(質問) ポリプテルスが突然死しましたが、原因はなんでしょうか?
(回答) 突然死の原因に関しては、ケースバイケースで、断定は難しいのですが、考えられる原因としては、1.内臓疾患、2.急性アンモニア中毒、3.慢性的な酸素欠乏、4.排泄不良(糞づまり)、その他未知の原因が上げられ、解剖によっても専門的な知識と検査によらなければ究明できないものが多いです。1.内臓疾患は餌の単食や偏食、栄養バランスの偏りが原因で、予防策としては、単食を防ぎ栄養バランスを考える事と絶食日を設けて消化器官に休養を取らせる事です。2.急性アンモニア中毒は水槽立ち上げ直後や水換えの直後の水質や濾過機能が安定していない状況での給餌によるアンモニアの残留濃度の上昇が原因で、1番と併せて水換えの当日と翌日を絶食日に設定する事で防げます。3.慢性的な酸素欠乏は魚の導入時等にphショックを起こした場合死滅した鰓が再生するまでの期間、慢性的な酸素欠乏となるため、生理的運動や神経組織に弊害が現れてしまい、体組織や器官が限界に達した状態で死亡してしまいます。直接空気呼吸を過信せずにきちんと水合わせを行えば防げます。4.の排泄不良は大型のミルワームや甲殻類を与えた際に消化不良から排泄不良を起こす場合がありますが、自然化では日常的に食べている餌であるということから、食べるものよりも消化器官の虚弱の方が原因と思われます。水質の改善で胃腸が正常に働く状態にし、食べたものをきちんと消化できる体質を目指す事です。最後にこれらの原因に該当しないケースですが、気がつかないで何らかの薬物が混入したり、先天的な体質異常も考えられます。
(質問) 鰭や器官の外傷の再生について教えて下さい。
(回答) どの器官が傷ついたり欠損したかにもよりますが、ポリプテルスの再生能力自体は非常に高いものがあります。小離鰭や尾鰭の場合はほぼ、問題なく再生しますが、欠損の具合によっては並びや長さが不揃いになる事もあります。また、鼻管は欠損した長さにもよりますが、少し切れた程度なら元通りになりますが、時折組織が癒合してしまい潰れた状態になってしまうことがあります。また、過去に感染症に犯されて尾鰭側の上端から半分が壊死し本体も後ろから3本目の小離鰭付近まで肉が見えていた個体も今では元気に泳いでいます。しかしながら、尾部周辺の欠損箇所の後遺症はひと目で見てとれる傷跡が残ったままです(壊死した部分の小離鰭や尾鰭の刺条は抜け落ちた為欠損したまま)。完全に再生しないケースとしては、ヒーターによるやけども上げられ、萎縮した組織がそのまま再生するので、痕が残ってしまいます。
(質問) 何とか未輸入種を現地から持ち帰りたいのですが、可能ですか?
(回答) 現在国内に輸入のないP.bicher bicher、P.bicher kanangae、P.palmas palmas、P.ansorgiiの4種と未だ未発見の種類を現地で調達することは、原理的には可能です。いずれの種・亜種に関してもワシントン条約による制限は課せられていませんし、熱帯魚であれば、通常のインボイスがあれば検疫もパスできます。ただし、現実的に考えるならば困難である事は疑いなく、何らかの研究目的である証明を取得したのち、採集国の大使館に対して協力を要請したり、実際採集する段階での身の安全から信用のおける現地ガイドや通訳、移動手段のチャーター、採集魚の輸送など相当の覚悟が必要です。また、未輸入種である事自体が採集自体が困難であることの証明で何のコネクションもない人間が現地に赴き採集して帰れるなら、現地のシンジゲートによって既に輸入されていると思った方が妥当です。
(質問) それぞれの種類を終生飼育する場合の必要な水槽サイズを教えて下さい。
(回答) 一般的な最大体長と水量を考慮に入れた場合の表を作ってみました。尚、表の内容はあくまで目安で、魚の体格や太さによって修正が必要です。また、終生飼育という点を考慮しておりますので、成長途上の個体の飼育可能数とは異なります。また、繁殖を狙うための繁殖水槽では1個体の基準水量を倍にして考えて下さい(つまりAランクの魚ならばペアで200lの水量を確保する必要があるので、最低120 x 45 x 45cmの水槽が必要となります)。
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Aランクの中で70cm以上に育った個体 |
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最大60cm以上に達する種 |
エンドリケリー、コンギクス |
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最大50〜60cmに達する種 |
ラプラディ、オルナティピンニス、ウィークシー |
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最大40〜50cmに達する種 |
デルヘッジ、ポーリー、ビュティコファリ |
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最大40cm以下の種 |
レトロピンニス、セネガルス、メリディオナリス |
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C、D |
Cクラスの魚 x1 |
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C、D |
Cクラスの魚 x1 |
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C、D |
Cクラスの魚 x3 |
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B、C、D |
Bクラスの魚 x3 |
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B、C、D |
Bクラスの魚 x3 |
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A、B、C、D |
Aクラスの魚 x4 |
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A、B、C、D |
Aクラスの魚 x7 |
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S、A、B、C、D |
Aクラスの魚 x9 |
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S、A、B、C、D |
Aクラスの魚 x11 |