どんな魚でも安定した飼育の次にくるのは繁殖の実現である。ポリプテルスの繁殖は難しいと言う文献もあれば種類によっては容易と書いてあるものもある。私は率直なところ少なくとも簡単ではないと思う。今回トピックスのページでレトロピンニスの繁殖情報を掲載したが、あれもまだ成功とは言えないし、なによりもペアを形成するところまでこぎ着けるのが大変難しいのである。中には雑居水槽の中の繁殖例もあるようだが、実際は雄と雌の絶妙のユニゾンによって成し遂げられる成果であって、その先に飼育者の経験と実績、最後には運によって決定づけられるものである。
それでは、なぜポリプテルスの繁殖は簡単にいかないのだろうか?まず、ひとつには優秀な親魚を揃えにくいこと。これは他の魚でも当てはまる事が多い。アロワナの繁殖は確かに難しいが、アジアアロワナに比べてブラックやシルバーの繁殖が容易なのは親魚の価格がやすく手に入れることが可能なのも大きいはずだ。ポリプテルスの場合は値段はともかく、成熟までに時間がかかる種類が多く、既に成熟した個体もなかなかショップに現れない事が起因している。ポリプテルスはセネガルスを除いて成魚まで成長するのに最低3年かかる。生後10年たっても生殖機能の発達しない種類すら存在する。そうなると、幼魚から飼育して繁殖に成功するまでは気の遠くなる時間がかかってしまう。比較的大型の個体を揃えやすいパルマスポーリーでもいきなり繁殖にのぞめる個体に出会えるのはかなり低い確率と言える。また、他の種類の魚のタンクメイトとしてポリプテルスを飼育している場合も繁殖が成功する可能性は低いだろう。
横に掲載しているペアは昨年繁殖用に水槽を分けてのぞんだものだが、残念ながら結果は失敗に終わった。今年再度90cm水槽で挑戦する予定だが、なんとか実現したいものだ。うちにはもう一匹雌がいて、その個体と同サイズの雄が3匹いるので、うまくペアができればそちらも挑戦する予定だ。
ただ、通常飼育するのと違って、繁殖の場合1対2や1対3であっても水槽のスペースが余計に広く必要になる。そうなると結果的に繁殖用の水槽を多く用意できるということも重要になってくる。
私の場合もう戻れない道である。せっかくなので、レトロピンニス、パルマスポーリーに続いてオルナティピンニスの繁殖水槽も用意する予定である。
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